昨年大晦日に通りかかった小さな花屋。
正月飾りの花を求めるお客さんが数人いました。
店の外には数種類の鉢が並んでいます。
その中にシクラメンの鉢もありました。
見事な大きな赤い花をつけたものは、華やかでお値段もなかなか。
中に少し横にはじかれた、いかにも処分品の鉢が1つ。
お値段もお買い得。
それは、鉢は大きいけれど、花が小ぶりの白いシクラメン。
だけど、花はたくさんついていて、
よく見るとつぼみもたくさん隠れている。
買う気は無かったけど、
その小ぶりで控えめな白いシクラメンが、
自分の気持ちにしっくりきました。
昨年4月に夫がなくなり、喪中で迎えるお正月。
正月準備は、喪中のハガキ。
連れて帰るか・・・
鉢を抱え、正月飾りを購入するお客さんの後ろに並びました。
すると前に並んでいた私より少し年配の感じのよい女性が、
「あら!いいの見つけたわねえ〜。どこにあったの?
葉もたくさんついているし、これからたくさん出てくるわよ!
これは、お買い得よ!白い花も素敵ねー」
と私が抱えているシクラメンとその鉢に刺さっている値札をみて言いました。
シクラメンを育て慣れている様で何度も
「それ、とてもいいわよ!」と。
「そうですか?嬉しい」
と、答えながら
「じゃあ、よいお年を!」と
お互い挨拶をして、その場を別れました。
それからその白いシクラメンは、夫の写真の横で元気に咲いています。
今日は、気持ちの良い朝をむかえ、
窓越しに穏やかな陽を浴びているシクラメン。
その時の事を思い出し、ほっこり心が温かくなりました。
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